1/13(土)-1/26(金)「リンチ極音」開催。2週間1日1作ずつ4作品上映



 1/27(土)公開『デヴィッド・リンチ:アートライフ』上映記念。

 自らもミュージシャンとして活躍する「音の映画」を作り続けるカルトの巨匠、デヴィッド・リンチ監督4作、【極上音響上映】決定。
 特に音に重点の置かれた上映可能な作品をピックアップして、繊細かつ大胆に調整を行い、リンチワールドの悪夢の深淵をさらに深めます。
 
 企画担当者は、リンチ信者。
 初めて番組担当を任された時、〝心の師匠〟ウディ・アレン監督作『マッチポイント』とあわせて、9週遅れにも関わらず「数字では割り切れない大事なことがあるのです」と強引に『インランド・エンパイア』を上映させてもらった思い出。

 ふたたび、その夢が、あの時よりもさらに美しく叶います。最高の音響設備と最高の音響家の力を借りて。
 いっしょに陶酔を、いかがわしき悪夢に。


概要■リンチ作品4作をベテラン音響家による調整を行って贈る高音質上映
日時■2018年1月13日(土)-1月26日(金) 夕方〜夜回 1日1作ずつ
会場■シネマ・ツー/cスタジオ
料金■通常料金 ※各種割引適用

上映作品

イレイザーヘッド(4K上映)
極太のインダストリアル・ノイズ・ナイトメア

 最高のサウンドシステムから放たれる毒音波は、肉体の軸を狂わせる低域を獲得し、観る者に強力な不穏と緊張を強いておいて「例の歌」で昇天させる。
 
 なんという不快なる幸福!
 これだよ、これがリンチなんだよ。
 あまりの感動に心しびれる。

 できちゃった婚をした男の憂鬱、という退屈げな題材でも、天才に作らせればかように美しく、ダークでユーモラスなメルヒェンの傑作になる。
 公開された1977年には考えられなかった、この音暴力の被虐快楽。

≪イレイザーヘッドと僕≫
 〇中学生の時レンタルビデオ屋で『時計仕掛けのオレンジ』と一緒に借りてきたのが本作の初見。
 〇2作ともに大興奮してしまい、歓喜にあふれる僕と対照に、ウチの息子はもうダメだと家族は絶望した。
 〇大学時代初めて買った携帯電話には、着メロを自分で作れる機能があったため、迷わず「In Heaven」を入力した。


ツイン・ピークス
ローラ・パーマー最期の7日間(4K上映)
 浸食する汚辱、浮遊する純粋。
 25年前、社会現象化したドラマの劇場版は、リンチ作品の中でももっともエロティックで暴力的な作品に結実した。
 ユーモラスな部分が大きな魅力のひとつだったドラマだけに、本作は批判されもしたが、止めどなく堕ちていく女子高生ローラの絶望の激しさゆえに「ローラ・パーマーのテーマ」は限りなく哀切に響く。

 デヴィッド・リンチがアンジェロ・バダラメンティと共に今シリーズのために生み出した「フローティング・ミュージック」と冠された音楽は、淫靡と清純、暴虐と救済、深淵と楽園を包摂して、観客を観たことのない「ロッジ」へと招待してくれる。

≪ツイン・ピークスと僕≫
〇デイル・クーパー捜査官に憧れすぎて、マイクロテープレコーダーを購入。
〇高校にも持っていき、「ダイアン」の代わりに「マイク」なる架空の人物に話しかけることで、様々な事象を記録した。
〇思春期らしく、テープに悩み事を打ち明けたことも。しばらくしてそれを電車に置き忘れるというミスを犯した。
〇この時の絶望ほどの絶望は、それ以降の人生でもついぞ味わっていない。

ロスト・ハイウェイ(Blu-ray上映)
 いかがわしい映画。
 デヴィッド・ボウイに始まり、ナイン・インチ・ネイルズ、スマッシュ・パンプキンズ、ジョイ・ディヴィジョン、マリリン・マンソンとそうそうたるビッグ・アーティストの楽曲に彩られた、謎に充ち満ちたオカルティックなサスペンスの傑作。

 初見で物語を理解しきるのは絶望的に困難だが、そんなことどうでも良くなるほど、波状攻撃のように驚かされ、性的に興奮させられ、爆笑させられ、うっとりさせられるエンタテイメント。
 
 リンチ作品中最もヴァラエティに富んだ音楽使いをプロデュースしたのは、トレント・レズナー。

≪ロスト・ハイウェイと僕≫
〇この頃になるともう十分大人だったため、映画には興奮するも、顔を白く塗るなどの奇矯な振る舞いはしていない。
〇人は成長できるのだ。

マルホランド・ドライブ(4Kスキャン版2K上映)
 お静かに。音楽の魔術が始まる。
 本作は最初テレビドラマシリーズとして構想され、撮影された。
 だが途中で頓挫してしまったところ、フランスが資金提供して映画として生まれ変わった。

 それゆえにほころびもあるが、そんなこと気にもならない圧倒的作品力で、カンヌ映画祭監督賞を受賞。

 cスタのサウンドシステムによる「クラブ・シレンシオ」のシーンは、気を失いそうになるほどの素晴らしさ。
 いろいろ音響を増強してきたのは、ただこの場面のためであったのではないか、と思うほど。
 あまりにも作品世界に引きずりこまれてしまい、ナオミ・ワッツと一緒に痙攣しかけた。
 
 どエロく、哀しく、ちんぷんかんぷん。
 これぞ、デヴィッド・リンチの到達点。

≪マルホランド・ドライブと僕≫
〇初めて上映作品選びの仕事の一端を担わせてもらえることになり、これは趣味全開やりたい放題やるしかない、それが多摩地区の映画ファンを幸福にすることだと固く信じて強引に『インランド・エンパイア』を遅れてながら上映させてもらった。
 さらにそれに便乗して、『マルホランド・ドライブ』も上映にこぎ着けることに成功。そう、シネマシティでは2度目の上映なのだ。
〇結局、人は子ども時代、青春時代にガツンと影響を受けたものに回帰するのだ。今企画にたどり着けたことの感慨深さ。
 執筆時、HPにはデヴィッド・リンチが、ウディ・アレンが、アキ・カウリスマキが、ヴィム・ヴェンダースが並ぶのを観て、思わずスクショを撮る。
 この幸福は、僕だけのものだ。でも、あなたにも同じように幸せになってもらえたら、なお嬉しい。


※全作品をシネマ・ツー/cスタジオで上映の予定です。

 

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